『兼見卿記』(かねみきょうき)
京都吉田神社の神主で、神祇大副・従二位だった公卿の吉田兼見の日記。元亀元(1570)年6月~文禄元(1592)年((うち天正2(1574)年・天正16(1588)年・天正17(1589)年を欠く))、および、慶長15(1610)年分が写本として残り、特に京の政治情勢に関して詳しく記載されており、その他にも北野社の大茶会をはじめとする茶器・連歌などの文芸、天正大地震による若狭湾での大津波の記録など、織豊政権期の重要な資料の一つとされ、筒井順慶に関する記述も含まれる。
なお、本能寺の変のあった天正10(1582)年分だけ、以前の記述分が別本として存在し、明智光秀との関わりのある件が書き直されているなどの点でも興味深い史料である。
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